Brad精神考察 -Joyful終盤の幻覚をどう読み解くか?メタ有り編
こんばんは、ハザマシジマです。
前回に引き続き、Joyful終盤のBrad幻覚について、どのような性質をもつものかをて考えてゆきます。
今回はメタ有り編として、Austinさんの意図の介入が成されていた可能性を考えていきます。
LISA the Painful,Joyfulのネタバレにご注意ください。
幻覚中の台詞と要約
今回も考察を進める前に、幻覚の内容を軽く復習しておきましょう。
本編中の台詞全文:LISA the Joyful日本語訳(父を超え愛を超え) - ハザマでシジマな瞑想所
要約
1番目:Buddyの名前の由来について。「思いついた中では一番だった」とのこと。
2番目:呼び方について。呼ばれたくない呼び名(恐らくDadないし父を指すもの)で呼んだところ、「名前はBradなので、その通りに呼ぶように」とのこと。
3番目:Dustyについて。訊ねたことを責め、詰ってきた後に、「叔父達にも訊かないように」「息子を持った覚えはない」とのこと。
4番目:Buddyと会ってBradの精神はどう変わっていったか、Buddyに対してどのような思いを抱いていたかについて。最後に「寄り添えなくて本当にごめん」「心の底から思っているよ」とのこと。
では、今回はメタ有り編として、「Austinさんはどうしたかったか、プレイヤーにどういう影響を与えたかったか」も加味しつつ、考察を進めます。
生前言えなかった本心?
この幻覚について「生前言えなかったBradの本心が出ているもの、メタ的演出」という解釈を見かけました。これに関して、見ていきましょう。
まず結論としては、この可能性だけで説明するには矛盾が生じます。単体では成立しません。
1番目、4番目の文章は、彼が言いたいことであるとしても問題ないでしょう。が、問題は2、3番目の文章です。
2番目の文章での彼は、本心を隠すような口ぶりになっています。
「そのように呼ばれたくない」「名前で呼ぶように」という内容を話してはいますが、「何故そのように呼ばれたくないか」という理由には触れられていません。
彼が呼ばれたくない理由を、「自分の父親が酷い奴で同じ人間になりたくなかった」でも、「自分に父親を名乗る資格があるとは到底思えなかった」でも、本心なら話せばよいはず。しかし彼はそのようなことを一切話しませんでした。
3番目の文章では、本心を隠すだけに飽き足らず、Buddyを詰り("You idiot." )、刺々しい口調("Don't you dare~")にまでなっています。「心の底から愛している」つもりが彼女を詰るとは、随分大きな矛盾ですね。
もし本心を話すならば、覚えていれば「彼を幸せにしたかったけれど、失敗してしまった。申し訳なく思っている」でも、単に忘れているだけなら「この名前に覚えはないが、もしかしてどこかで会ったかも。彼はどうしているのだろう」でも、返せば良いはずです。
Bradが一時的に蘇ったものとして、この幻覚は「Bradが言いたいことを言う」というよりは、「誰かから問われてそれに答えている、時に痛いところを突かれて本心を隠す」方がより正確でしょう。このBradには受動的な面が見受けられます。
メタ視点、即ちキャラクター間の意図とは別に制作陣の意図の介入を考慮すること、そして時に本心を隠すBrad。
これらを基に新たに閃いた説が以下になります。
Painfulプレイヤーの疑問への回答コーナー
Painfulをプレイし、Joyfulをプレイしていないプレイヤーが、Bradの設定について疑問に思う箇所についての言及が丁度されているのではないかと見ています。
プレイヤーが抱いた疑問に応じて(もしくは抱くであろう疑問を想定して)、それをBrad本人に回答させた形です。
言及部分に関しても、
「人名としては珍しい、Buddyという名前の由来」
「BuddyはBradを名前のまま呼んでいたけれど、父親としての呼び名で呼ぶとどうなる?」
「Dustyについてはどう思っている?」
「Buddyについてはどう思っている?」
という、プレイヤーが知りたい部分にちょうど合う内容とみて良いでしょう。
まとめ・総結論:幻覚のBradは第三者により再現された生前のBrad
前回メタ無し編で得られた結論としては、「BradはYadoの成りすましである」という可能性が一番強いこと。
今回得られた結論としては、「プレイヤーから来た(又は来るであろうと想定した)Bradの設定に関する回答を、Brad本人に行わせるような形で取り入れた」のではないかということ。
Yado→Brad、Austinさん→Bradと、他者による生前のBradの再現という形に落とし込むことができそうです。
Joyful終盤のBradの幻覚が持つ性質の考察は以上です。が、あともう1記事。この幻覚の内容を信頼すると見えてくる、彼の闇について迫ります。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!