ハザマでシジマな瞑想所

ハザマシジマの思索場所。ゲーム等趣味、自己啓発、その他精神的な事柄がメインです。

【自由研究】幼蝉観察:羽化という当たり前の奇跡に迫る

 去りゆく夏、およびいつか再び巡る夏を想いつつ、蝉の観察記録を。昆虫観察は、如何にも自由研究らしいテーマですよね。7月に蝉の幼虫を目撃したものの、ブログで取り上げ忘れ、いつ掲載しようかと迷っていました。が、今週のお題「わたしの自由研究」の設定から後押しを受け、投稿します。

 

 蝉の画像および動画があるので、蝉が苦手な方はご注意ください。なお、記事後半の思索の箇所は、重い話も書いているので、蝉が平気な方も念のためご注意ください。

 

 

 

観察記録:約3時間ほど

観察日:2019/7/22

PM6:22 目撃、動画撮影

www.youtube.com

PM6:22 動画0:00~0:15

体長3~3.5cm程の蝉の幼虫を偶然目撃しました。自身の体長ほどある段差も、爪を使って器用に登っていました。足取りも真っ直ぐで、元気に歩いていました。

 

PM6:25 動画0:16~ 

サッシの縁を掴んでよじ登っていました。金属の滑らかな平面で爪が引っかけづらいのか、登りにくそうでした。サッシの中は、蝉が羽化するには狭い空間で、手で掴んで近くの木へ移そうかと考えましたが、蝉の負担を考え、掴まずに見守ることにしました。

 

PM6:26 写真ではこのような感じ。全体は黄褐色で、ごく一部のみ緑ががって見えました。

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PM7:14 50分ほどで、おおよそ80~90cmくらい(高さはうろ覚え)サッシを登っていました。

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PM7:52

目を離している間に、蝉がサッシから落ちていました。落ちてもがいていたところを見たので、木の枝を掴ませて、近くの木へと移しました。

蝉自身も、転んでも自力で起き上がる、しっかりした動きを見せていました。

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PM7:58  順調に木の幹を登っています。

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PM8:03 写真がぶれてしまいましたが、画面中央やや左側にいます。幹から太い枝へと移動しています。

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PM8:22 太い枝へと登ったあとは、枝の先の方へと移動していました。蝉は画面上側にいます。

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PM8:30頃? 目を放したら、見失いました。蝉がいた辺りを再び見ても見当たらず。踏んでしまっていないかと不安になりながら、足元に気を付けつつ探しました。

 

PM8:35 蝉の幼虫が地面の上でもがいているのを発見。再び幹へと登らせました。PM7:52の位置よりも高く、登らせる位置を変えてみました。

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PM8:43 蝉はだいぶ高い位置へと登りました。この瞬間が、私が撮影できる限界だったかもしれません。

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 その後、PM9:17まで観察していましたが、私の目が届かないほど高く登ったのか、あるいは暗くて見えない影側へ行ったのか、見失いました。

 翌日夕方、再び同じ木とその周辺を探しましたが、羽化成功の証・蝉の抜け殻も、羽化失敗したと思しき痕跡もありませんでした。この蝉が無事羽化したことを緩やかに祈りました。

 

 

考察:この蝉の幼虫の種類・性別は?

種類の見分け方

幼虫の種類の推測に当たって、こちらの記事を参考にさせていただきます。

bait4crawl.exblog.jp

 体長は3cm以上あり、なおかつ木に登って羽化するので、アブラゼミ・ミンミンゼミ・クマゼミのどれかであると考えられます。

 更に、幼虫の色は2色の濃淡なので、アブラゼミかミンミンゼミかのどちらかに絞れました。

 

 さらに、こちらの記事を参考に、アブラゼミかミンミンゼミか見分けます。

セミの幼虫比較・羽化

 

 茶色が主なのがアブラゼミの幼虫、緑が多く混じっているのがミンミンゼミの幼虫。私が見つけた幼虫は、ほぼ茶色なので、アブラゼミだと分かりました。

 

 

性別の見分け方

性別はこちらの記事の見分け方を参考に。

ふしぎ大好き 

 観察していた蝉の幼虫がひっくり返っていたのを目撃したときは、すかさず木の枝に掴まらせていたので、鮮明な画像は撮れませんでした。

 が、幼虫の腹部を見たところ、メスに見られるような変わった構造ではなく、「単なる昆虫の腹部」といった印象だったので、恐らくオスだと思われます。

 

 

 

思索:羽化という当たり前の奇跡

 スマートフォン片手に蝉を観察していたので、「観察者として、無事な羽化の為何をしよう」と、観察がてら情報を色々と検索していました。すると…蝉が成虫になるまでには、困難が多くあることを知りました。

 

 蝉が地中で過ごしている間も、危険が多くあること。そして、蝉が地上に出られても、羽化が上手く行かないと、そこで死んでしまうか、生き延びても五体満足ではいられないこと。

 特に羽化失敗の光景について知ったときに、虚無か悲しみか絶望か嫌悪か、はたまた目の前の蝉の未来への不安か、言い知れぬ感情を覚えて、心を掴まれました。

 

 

羽化失敗について(鬱・閲覧注意)

 蝉の羽化失敗は主に二通り。一つは、登った後の羽化中に落ちてしまう場合。もう一つは、適切な羽化場所を見つけられないうちに体の硬化が進み、殻の中で固まってしまう場合。

 

羽化中に落ちてしまうと…

 落ちてしまっても、誰かが通りかかって蝉を支えれば、無事羽化を終えて成虫になれます。しかし、その幸運に巡り合わなかった蝉は、そのまま死亡するか、又は生きたまま蟻などに食べられてしまいます。

 

羽化場所が見つけられず硬化が進むと…

 人の手が全く加わらない状態だと、殻の中でそのまま固まります。ストレスがかかると硬化が早まり、このパターンの羽化失敗に繋がります。

 また、人の手が加わる場合、ストレスの他に、「蝉の身体の乾燥」という要素も入ってきます。観察の為に光をあて続けてしまうと、身体の乾燥につながります。また、室内に持ち込んでの観察では、温度・湿度の条件によっては乾燥に繋がります。

 なお、完全に固まっておらず人の手で取り出せる場合でも、幼虫の形が残ったままで、色だけが成虫と同じ状態になります。この状態で生き延びても、羽はもう伸ばせません。

 

 

 

ネット上で見かけた羽化失敗例

羽化に失敗したセミの幼虫たちの写真集 - ココロ社

 羽化途中に人の手が加わらなかった場合での羽化失敗例を、画像付きで多く掲載されています。

 

セミの羽化眺めてたら羽化失敗しててワロタ…

 羽化失敗中の蝉を人の手で取りだした場合の記録が、画像と共に載っています。

 

人の手を借りた羽化成功例も!

 羽化失敗例で絶望を強調するのもほどほどに、人の手による羽化成功例も載せておきます。

 

木から落ちた蝉の幼虫が手の中で羽化を!一部始終を見守るTL…やがて蝉は! - Togetter

 文字通り人の手による羽化。脱皮途中の状態から、羽化に成功。

 

画像付きまとめ:【悲報】ワイ、駅チャリ置き場でセミに帰宅を邪魔される… : 登山ちゃんねる

元スレ(画像見られず):【悲報】駅チャリ置き場でセミに帰宅を邪魔される

 こちらは、脱皮後に落ちてしまった蝉を木の枝に掴まらせ、大きな木の幹へと移した例です。

 

最古の記録?:蝉レスキュー | 曖昧にそれてみる

セミ レスキュー | どんくん日和

天下御免の素浪人 セミのレスキュー

 地上に出た蝉を手助けする活動全般を、「蝉レスキュー」と呼ぶようです。この言葉で検索すると、蝉を手助けする方の活動が見られます。

 活動内容としては、「羽化の手助け」と「落ちた成虫の救助」の二つに大別されます。羽化の手助けの為に、屋内へと持ち帰り、植木鉢の木に掴まらせて羽化を進める方もいるようです。

 

 

おまけ:蝉の寿命

セミ成虫の寿命1週間は俗説! 1カ月生存「証明」 岡山の高3 学会で最優秀賞(山陽新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 蝉の寿命は1週間。というのが通説でした。が、研究の結果、アブラゼミツクツクボウシクマゼミの3種で10日以上の生存を確認、更に最長32日感も生きたアブラゼミがいたことが判明しました。その研究内容は、蝉1匹1匹を捕まえては目印をつけ、後日直接蝉を観察しに行く…という地道な方法でした。

 「通説を疑う姿勢」と「地道な方法であろうとも解明しようとしたこと」の2つに感動しました。

 

 

今回は以上です。読んでくださり、ありがとうございました!

今年の蝉についての思い出を改めて綴ると、ありありとそのときの感情が蘇ってきました。