ハザマでシジマな瞑想所

ハザマシジマの思索場所。ゲーム等趣味、自己啓発、その他精神的な事柄がメインです。

Buzzoの精神状態についての考察 その5

こんばんは、ハザマシジマです。
今回もBuzzoの精神状態についての考察です。
 
基本的には英語のLISAでのゲーム中の描写に基づいた考察をしていますが、本編との描写およびAustinさんからの情報などとの矛盾、引用した英文およびその訳の間違いがあれば指摘していただけると幸いです。
また、Buzzoのことに限らずLISA中で疑問に思うことがあれば私に知らせていただければ私の方でも考えようと思います。

この記事に限らず、私の考察の中で分かりにくい点や疑問点があれば寄せていただければ補足を別に書こうと思います。
LISA the PainfulおよびLISA the Joyfulのネタバレ注意です。

今回は彼の精神状態の考察から導いた要素を拾いつつ、彼の精神状態全体のまとめをしてゆきます!

 

 

 

 

 

 

 (解釈その1 最期までLisaから解放されなかった場合)

 これは私が改めてBuzzoについて考える前の彼の精神状態の認識です。解釈や考察はより多い方がよいと個人的に思うのでこちらも公開します。

 ”It’s okay… You don’t have to do this anymore. I’m here to set you free.”(「あのセリフ」とします)をBuzzoのものであるとして、その場合彼の精神状態はどうなるのか私の解釈を書いてゆきます。
 あのセリフがBuzzoのものであるとすれば、過去のBuzzoがLisaを助けようとして彼女に対して言った発言であると考えています。きちんと分別が付くようになった大人のBuzzoがLisaに対し「もう誰も恨まなくていい」というような救いを差し伸べている可能性もあるかもしれませんが、彼の精神はミュータントになってからの様子で分かるように相当追い詰められたものだったのでそういう発想が彼にできるかどうかは定かではありません。むしろ変異中のセリフからは彼は助けてほしそうでした。以下、あのセリフはLisaが生きている頃にBuzzoが彼女に対して言ったものであるとしてJoyful終盤あたりの彼の精神状態の解釈を書いてゆきます。
 誰を痛めつけても、どれほど痛めつけてもLisaはまだ他者を嬲ることを要求してきます。Bradが満身創痍のミュータントになってもそれは変わらず。その様子から、Buzzoは彼女からの要求はいくら応えても際限のないものだと悟りor他者を痛めつけることによる罪悪感や恐怖などに耐えられず、Lisaの要求に答え続けるのを辞めました。そして彼は「これ以上こんなことは続けられない」とLisaに手紙を書きます。しかしこれまでLisaのために動いてきた彼ですが、これからどうしてゆけば良いものか。ここで彼は自らの過去の記憶を振り返ります。そして思い出したのは生きている頃のLisaに対して言ったあのセリフです。そこで誰かを助けたかったのだと己の行動の原点に気が付き、背格好・Bradとの関係がLisaに似ており、なおかつ一人の人間として彼が意識を少し向けている少女Buddyを助けようという思いに至りました。

 そしてJoyful終盤での彼はBuddyにワクチンの存在を知らせ、Sweetheartの相手を一人で引き受けることでBuddyを助けました。恐らく彼の精神はBuddyを助けに向かおうと決めたときから変異が始まるまでの間中ずっと、Lisaを諦めてBuddyに意識を向けたことによりさらに激しくなったLisaから責められる声で満ち溢れています。Sweetheartから受けた傷により彼は変異を起こします。Lisaの名前を呼びながら躊躇ったり怯えたり自傷したり。人間を辞めても彼はLisaの恐怖の中にいます。彼の最期の言葉” I’m…     Free.”についても”I’m here to set you free.”が彼の言葉であるとするならば、解放されたという意味を持つのではなく、ただ単に彼の中の記憶の想起から”I’m here to set you free.”と言おうとしたがまともに言葉になったのが最初と最後の単語であるだけともとれます。

 

この解釈をもとに翻訳するとすれば

”It’s okay… You don’t have to do this anymore. I’m here to set you free.”

もういいんだよ…これ以上こんなことすることはないんだ。僕が来たからには、君はもう自由だよ。

となります。 

 

(解釈その2 自責の念の認識によりLisaから一時解放された場合)
 こちらはBuzzoについて考察を深めた後での最も有力そうに思える認識です。
 Lisaが亡くなったあと、Buzzoの心は他責の念と自責の念を持ちます。他責の念は自責の念で彼の心が壊れないために自責の念に対抗して作られた防衛機能だったかもしれません。他責の念に押されて自責の念は無意識の方へと追いやられます。しかし、自責の念は無意識の方へと追いやられただけで、決して消えたわけではありません。このままでは自分を責めたい思いが満たされません。満たされない思いを放置するのもそれはそれで彼を苦しめます。そこで登場するのがLisaの幻覚です。Lisaから責められることにすれば、自分を責めたいという思いを完全に満たすものではないにしろ、思いを紛らわすのには十分です。その上他責の念とも共存可能です。Lisaの幻覚は恐怖対象であったとしても、自責の念をそのまま放置するよりは、怖くても彼女が出てきて責められる方がまだましだったかもしれません。最愛の彼女なら自分の欲求を紛らわす相手としてぴったりな上に、生前狂気に陥っていた彼女であれば生前の姿と幻覚で彼の都合に沿った姿との間で齟齬が発生することも少ないです。Lisa死亡後から少し経過したとき、彼の顕在意識にあるものは主に他責の念とLisaの幻覚になりました。
 FLASH前ではLisaの為としてDustinの顔の皮を剥いでいた彼ですが、FLASH時点ではすでに、動機は何であれJoyの研究など建設的?な活動ができる程度に現実を見ることができ、人に対しては腕を切るものの少年時代の頃のような顔の皮を剥ぐほどの苛烈な行為は見られず、BradとBuddyを何年もの間いたぶらずにおける程度には他責の念を制御できるようになりました。しかし未だLisaの幻覚からは逃れられず。その奥の自責の念を満たしていないので当然ではありますが。また、無意識の方へと追いやられた自責の念の発散方法(Lisaに責めてもらう)は不完全なものであるため、自責の念は無意識の中で長い時間をかけて彼の中でくすぶり続けます。Painful本編ではBuzzoはピンクの仮面の仲間を引き連れています。彼らの仮面のデザインはまるで顔の皮を剥いだときのようですが、あの仮面の口元がBuzzoとそっくりなのは本当に剥ぎたかったのは彼自身の顔の皮であることの表れかもしれません。
 Painfulエリア3到着直前のBuzzoは”No matter what I do... It still hurts...(どんな手を尽くそうとも…未だ痛みは止まない…)”と発言していることから、「今まで他者をいたぶり続けてきたが苦痛は癒えない」→「他者をいたぶるという方法ではそもそも成功しないのでは」というように他者を責めることに対する疑問へ至るための要素をこの時点で掴みかけているようにもとれます。また、他責の念の疑問への第一歩以外の彼の心の変化も見受けられます。Buddyを印象深い存在であると捉えています。Lisaとの関係がなく今生きている彼女に目を向けられるようになって、彼の意識はLisaが死んだ頃の過去だけに向かうものではなくなりました。Buddyを助けるに至った思いの原点はここかもしれません。
 Bradミュータント化からすぐ後、Joyful序盤のBuzzoの発言”It’s not healthy to dwell on the past.”(過去に囚われていては歪んでいくよ。)から、この時点で自責の念に気づいていないとしても、これまで彼が持っていた他責の念は過去に囚われたが故の狂気であることには気づいていると考えられます。彼が気づけた要因となりえるものとして、他責の念への疑問につながる要素の感知と、Buddyを意識できたことにより現在あるいは未来に目を向けられたことがあります。彼がJoyfulの物語が経過してもなおBuddyを意識し続けていることは彼の夢にBuddyが出たことと幻覚中のLisaの発言”You want that little bitch?”(あの小娘が欲しいの?)から分かります。そこから、過去に目を向けてばかりではなくなったのは一時的な変化ではないとみることもできます。Bradを確保した後のBuzzoには、JoyfulでのLisaまみれの幻覚を見る前、Randoが体を回復させる期間とBuddyがウォーロード3人を殺す期間の間で、「他責の念は過去に囚われたが故の狂気である」という考えから始まって、「では本当の思いとは何だったのか」と考えて自責の念に気が付いたものと考えられます。そしてLisaからの幻覚に襲われても自責の念を抱き続けて彼女から解放されました。彼女の恐怖に耐えきれるほどの強い思いを抱けたなら、防衛機能としての彼女はもう不要です。また、このときまでに自責の念そのものだけではなく、自責の念を紛らわすために彼女を利用していたことにも気が付いていたならば、BuzzoがLisaを解放しているとも捉えられます。
 防衛機能のLisaを失った直後から、BuzzoはこれまでLisaの幻覚および他責の念により正確に認識できなかった自責の念に向き合うこととなります。しかし、これから向き合う自責の念は、もはやLisaが死んだ当初から抱いてきたものだけには留まりません。その後彼が成してきたことにも向き合っています。Lisaの狂気を止められなかった後悔、Lisaを死なせた後悔だけならまだしも、そこにBuddyを心から想っていたBradを狂わせたこと、BradとBuddyをいたぶったこと(さらにはBuzzoの仲間とDustinを苦しめたこと、Buzzoの気づきの状態によってはLisaの死後も彼女を彼の中で狂気に陥れていたこと)が加わったらLisa無しで彼はどこまで耐えられるでしょうか。この状態が彼の望みだったとしても、Lisaから解放されなかった方がまだ彼の精神の負担は軽いと言えます。そんな精神状態の中、Buddyを助けようと一人でSweetheartに立ち向かいます。彼が罰を受けたかったのか、過去から逃れたかったのか、死にたかったのか、(Buddyと共に)生きたかったのかまでは正確には分かりませんが、ともかく彼は満身創痍の状態でSweetheartに勝ちました。
 満身創痍のBuzzoはBuddyを前に背負っている後悔を語ります。”… I was supposed to be her light. Instead, I let her pull me into the darkness.(本来私は彼女の希望になるはずだった。けれども彼女のことを自分を闇へ堕とした元凶にしてしまった。)”こちらはLisaの狂気を止められなかった上に飲み込まれた後悔が読み取れます。さらに、彼女が死んだ後も彼の中で彼女を狂気に堕ちた存在として生きさせ続けたことも後悔しているかもしれません。Lisaの幻覚から解放された後も彼女のことと自らの罪のことを考えています。
 致命傷を負った彼はミュータントになります。Lisaの名前を呼びながら何かを躊躇ったり、恐れたり、自傷行為に及んだり。人間を辞めてもLisaからは逃れられません。Lisaから真に解放された瞬間が仮にあったとすれば、それは彼がミュータントとなった後、死ぬ寸前” I’m…    Free.”と言った瞬間くらいです。

 

 

この解釈をもとに翻訳するとすれば

”It’s okay… You don’t have to do this anymore. I’m here to set you free.”

 もう大丈夫…今までこんなことをさせてごめんなさい。私の元を離れて、自由に暮らしておいで。

となります。LisaのセリフかBuzzoのセリフか分からないのであればどちらともとれるように口調を調節すればいいだけです。 

 

12.23追記

Joyful幻覚時点でのBuzzo、少年時代の彼、彼の幻覚の中のLisaのどれとも取れるような台詞回しを1つ考えました。

 ”It’s okay… You don’t have to do this anymore. I’m here to set you free.”

 もう大丈夫…辛いことの繰り返しはこれでお終い。今から自由にしてあげるからね。

 

 

 

Buzzoの精神状態についての解釈の記述は以上です!彼についての考察を最初から見てくださった方も、そうでない方も。ここまで閲覧ありがとうございました!

この考察全体は脇道に逸れつつ非常に長々と書いた自覚はあるので、次回はBuzzo考察のシンプルなまとめか、また別の軽めな考察を投稿するつもりです。