ハザマでシジマな瞑想所

ハザマシジマの思索場所。ゲーム等趣味、自己啓発、その他精神的な事柄がメインです。

Lisaの精神状態についての考察 その4

こんばんは、ハザマシジマです。

今回もLisaについての考察です。

前回:Lisaの精神状態についての考察 その3 - fx*jf bkx*j w*r.

その1:Lisaの精神状態についての考察 その1 - fx*jf bkx*j w*r.

 

考察全体の流れ(予定)

0.Lisaについての疑問点の提示(その1

1.Firstから見る彼女の家庭内およびMartyについての認識(その2その3

2.Joyfulエピローグ時点での状況整理(今回および次回)

3.彼女の目的の考察 彼女のしたかったこと・したくなかったこと・抱えた思い込み等

 

 

LISA the Joyfulのネタバレにご注意ください。

 

 

まずは、状況分析のためLisaとBernardの会話を全文(+訳)引用します。

台詞一言単位で気になった点と会話全体で気になった点を挙げます。気になった台詞については下線を引きます。

 

 

Lisa:Did you bring it?
ちゃんと持ってきた?

Bernard:Yeah. I found it in my dad’s garage.
うん。父さんのガレージから見つけてきたよ。

Lisa:Good…
いいわね…

Bernard:Now what?
で、何をするんだい?

Lisa:Use it.
使うのよ。

Bernard:What?
えっ?

Lisa:Yeah, use it.
そう、使うの。

Bernard:How…?
使うって、どうやって…?

Lisa:… Cut its paw off.
…この子の脚をどれか一本切り落として。

Bernard:What? Nn… No. I can’t do that.
えっ?い…嫌だ。こんなの無理だよ。

Lisa:What do you mean?
それってどういう意味かしら?

Bernard:Well… Haven’t we done enough? It’s so helpless.
だって…僕ら、もう十分頑張って来たんじゃないか?こんなことしても無駄だよ。

Lisa:Do you like me?
私のことは好きよね?

Bernard:Of course.
勿論だよ。

Lisa:Do you love me?
愛しているわよね?

Bernard:…

Lisa:Then do it… And I’ll love you back.
ならやりなさい…そうすれば貴方を愛してあげる。

(電動のこぎりが作動する音)

Lisa:Wow…Is it still alive?
まあ…この子まだ生きてるの?

Bernard:… Yeah.
…そうだね。

Lisa:Good. That was good. I think you’re ready.
いいじゃない。上手くいったわね。これなら貴方に任せられるわ。

Bernard:… For what?
…何を?

 Lisa:Cut me.
私を切って。

Bernard:What?!
何だって?!

Lisa:Do it.
切りなさい。

Bernard:I can’t. No, please no.
無理だよ。お願い、嘘だと言って。

Lisa:But, I love you. I need this…
でも、貴方を愛しているの。こうする他ないのよ…

Bernard:I-I can’t.
ぼ、僕には無理だよ。

Lisa:This way, he won’t want me anymore. Please… Do it. I need this. Only you can save me.
そうすれば、あの男は私を求めてこなくなるわ。お願い…言うことを聞いて。どうしても切ってほしいの。私を救えるのは貴方一人だけ。

Bernard:…

(電動のこぎりの音)

 

 

 

台詞一言単位の考察

会話の最初の方から順に、気になった台詞に対する考察を書いてゆきます。

①"Did you bring it?" "Yeah. I found it in my dad’s garage."(ちゃんと持ってきた?うん。父さんのガレージから見つけてきたよ。)

 LisaとBernardのこれらの台詞から、少なくともLisaとBernardは2回、何らかの形で交流していることが分かります。電動のこぎりを持ってくるように指示を出したときと、このエピローグのシーン。

 ただ、1回目の交流の形式が何であったかは分かりません。直接対面なのか手紙なのか通信機器上か何かなのか。

 何にせよ、Martyの監視は外界との接触を完全に断つものではなかったと考えられます。

 

②Now what?(で、何をするんだい?)

 Bernardのこの台詞から、Lisaが彼に電動のこぎりを持たせた理由を何も話していなかったことが分かります。彼女は嘘すらついていません。

 Bernardは電動のこぎりを用意する目的については何も疑わなかったのか、疑いながらも深く尋ねられずにいたかは分かりません。しかしどちらにせよ、彼女は理由を述べずに彼を指示に従わせることができたことが分かります。

 また、彼女が生き物の体を切らせる予定であることを伏せていたことから、彼女は「やることを最初から正直に話したらうまくいかないだろう」と考えていた可能性もうかがえます。恐らく、生き物の体を切ることに関しての抵抗がBernardにはあるだろうと見越してのことかもしれません。

 

③Haven’t we done enough?(僕ら、もう十分頑張って来たんじゃないか?)

 Bernardのこの台詞から、Lisaと共に起こした行動がこの時点で既にいくつかあることが分かります。

 ここから想定できる可能性としては、彼らが交流した回数は2回どころではないか、この時点で2回だけだったとしても1回目にいくつもの行動を起こしたかのいずれかです。

 前者の可能性を採用すれば、彼女はBernardに何回も連絡を取ることができたと言えます。後者の可能性を採用すれば、彼女は長時間にわたるBernardとの交流に最低でも1回は成功していたと言えます。どちらにせよ、外界で何か行動をするチャンスが彼女にはあったと考えられます。

 

④This way, he won’t want me anymore.(そうすれば、あの男は私を求めて来なくなるわ。)

 Lisaは彼女の体を切ることを躊躇うBernardに対してこの発言をしました。この台詞におけるheは恐らくMartyです。Lisaは身を切らせる利点として「彼女が家族から性的な扱いを受けずに済む」ことを挙げています。

 性的な扱いを避けるということが彼女の目標に含まれるかどうかに関わらず次のことが言えます。

 彼女にとって、家族から性的な扱いを受けていることはBernardを動かすに値するほどの事態であると考えられます。彼女は最低でも、Martyの行動の異常性を一つは認識できています。

 

⑤ Only you can save me.(私を救えるのは貴方だけ。)

 この会話の時点では、彼女にとっての協力者はBernardだけであるという認識を持っているようです。

 本当に彼以外に誰も協力者がいなかったか、あるいは彼の他にLisaの協力者になろうとした人が誰かいたものの彼女にとって都合が悪いために無視されているかのどちらかであると考えられます。

※追記:この台詞について、彼女の協力者は他にいたもののBernardを動かすために嘘をついたという可能性も否定できません。

 

やりとりを通しての考察

⑥Bernardの反論と抵抗、Lisaの説得

 Lisaに「どういう意味か」と問われた後のBernardの答えは「こんなことしても無駄だよ」と反論します。しかしその直後の彼女は「私のことは好きよね?」と好意や愛を話題に挙げ始めます。彼女の言葉は、その行動が無駄だという考えに対する反論ではありません。

 そして好意や愛を話題に挙げられてからは、彼からの反論はありません。躊躇しているだけです。なお、Lisaの指示の目的については彼女が彼に「愛している」と言っても従わなかった会話終盤でようやく一つ話すのみです。

 これについてはLisaとBernardの双方についての情報が読み取れます。

 Lisaについては、Bernardに対して説明することを避けていたことが分かります。自身の事情はできるだけ隠していたいのか、あるいは単に人の説得には思考よりも感情への働きかけの方を優先して使うのかのどちらかだと思われます。どちらにしろ、別の解決策の模索には不利な精神です。

 Bernard側については、Lisaの為になることをしたいという思いもあるものの、それよりもLisaに好かれたい・嫌われたくないという思いの方が強かったことが読み取れます。彼は、彼女自身よりも彼女がもたらす愛の方が目当てだったのかもしれません。

 

 

 

 

まとめ Lisaの現状打破を考える上での鍵

チャンスとなりうる点

・外界

 完全に外界から切り離されたわけではないこと、Bernardと行動を何度もしてきた可能性が高いことがエピローグ会話から分かります。外界へ出るチャンス自体は彼女にもありました。 

・Lisaは家庭内での扱いの異常を一つ認識している

 Martyの束縛は当たり前と思っていたかもしれませんが、性的扱いは異常であると認識できています。問題意識無くして改革は起こりえません。

・協力者を得られたこと

 彼女は外界との接触により、彼女の為を思っている相手を得ることができました。会話文を見る限りでは協力者はBernardだけのように見えますが、それでも誰もいないよりはできることが増えます。

 

ネックとなりうる点

・説明を避ける、議論がまともにできない

 ⑥で挙げたように、Lisaは感情に訴えて駄目だと分かってからようやく思考を使う性質があると考えられます。しかもその思考能力は新たな情報や考えの模索ではなく、相手を都合よく動かすためのものです。彼女は情報収集にも立案にも不向きです。

 より良い解決策を考えるための分析力と豊富な情報を持つ協力者がいれば結末はましだったかもしれません。ただ、そのような相手が現れたとしても、「自分に従わずきついことばかり言う」などとして”彼女が”協力者として選ばない可能性もあります。

・幽閉による精神上の不具合(知識の欠如、思い込みなど)

 前回および前々回での考察から、Lisaは実際Martyに幽閉されていると見なしていいでしょう。そのことから、他の家庭や社会の様子についての知識にも乏しいと考えられます。また、幽閉された生育環境故の思い込みも何かしら持っていることも考えられます。

 例えば、他の家庭の様子をまともに知らない彼女は「他の所へ逃げてもどうせ同じ」というように考えているかもしれません。それ以前に、幼少から常に束縛されていたが故に、家庭での束縛自体については何の疑いも持っていなかったかもしれません。

 

 

 諸刃の剣

・Bernard

 何故彼がLisaに惹かれたのかは分かりませんが、彼女の為なら大抵のことはします。行動力もあり、空手も強い。なお、彼の家にはガレージと電動のこぎりがあることも分かります。

 ただ、Lisaの愛に弱いので、反論すれば愛に訴えてくる彼女との議論には不向きです。彼の思考力は本来あるのですが。彼女からの愛のためなら理不尽なことでも、目的が見えていなくても異論を唱えずに従います。そこが難点です。

 Lisaが正しく判断できていれば彼の行動力を活かせます。しかし、間違っていた場合は…間違いを修正することは困難です。間違いを直さず彼女の案を遂行します。

 

 

 

今回は以上です!閲覧ありがとうございました。

次回はLisaができたであろうことを予測しながら書いていきたいと思います。