ハザマでシジマな瞑想所

ハザマシジマの思索場所。ゲーム等趣味、自己啓発、その他精神的な事柄がメインです。

Buzzoの精神状態についての考察 その3

こんばんは、ハザマシジマです。
今回もBuzzoの精神状態についての考察です。
 
基本的には英語のLISAでのゲーム中の描写に基づいた考察をしていますが、本編との描写およびAustinさんからの情報などとの矛盾、引用した英文およびその訳の間違いがあれば指摘していただけると幸いです。
また、Buzzoのことに限らずLISA中で疑問に思うことがあれば私に知らせていただければ私の方でも考えようと思います。
LISA the PainfulおよびLISA the Joyfulのネタバレ注意です。

今回はBuzzoの最期およびその近辺での彼の精神状態について考察します。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の最期について

まず私の考えとして、BuzzoはたとえLisaから許されたとしても彼は真に彼女から解放された可能性は非常に低いと判断しました。以下に彼の最期の精神状態の考察対象となる要因と、私の考えも合わせて書いていきます。

1.なぜ彼は”Sorry, but I can’t do it anymore.(ごめんなさい、こんなことは続けていられない)”と書く必要があったのか

2.ミュータントとなったBuzzoの挙動について

3.Buzzoの中のLisaの挙動について

 

 

1.なぜ彼は”Sorry, but I can’t do it anymore.”と書く必要があったのか
 Joyfulの棺桶とJoyがある場所にて読むことができるBuzzoがLisaに宛てたと思われる文章より抜粋しました。彼がこの手紙を書いた時点でLisaが彼を許していれば、このように書く必要はありません。この手紙を書いたのがいつかは正確には分かりませんが、少なくとも手紙を書いた時点では彼は彼女から許されていないと言えます。

 

2.ミュータントとなったBuzzoの挙動について

 ミュータントとなったBuzzoについて考えることで彼の潜在意識がLisaから解放された可能性は大体潰れます。

彼の精神状態の考察の前にまずはJoy服用者全般に見られる精神状態について。

 PainfulのJoyless EndingでのBuzzoの発言より” Once it's gone into effect... The user begins to lose control... They no longer can make choise for themselves, only the user's inner most desire come out.(一度でもジョイを摂取すれば…服用者は理性を失いはじめ…判断力すら無くなり、服用者の内にある最も強い欲望のみが現れる。)”とのことです。

 服用者の精神は内なる欲望しかなくなる、という点はJoy服用者だけでなくミュータントの精神状態にもそのまま適用できるかどうかは確信できません。というのもミュータントとなった後は各々の内なる欲望すら消滅している可能性があるからです。

 しかし、ミュータントになってもなお何か意味のある単語を発することがあったり、攻撃・泣く・叫ぶ・見つめる・舐めるなど以外の大半のミュータントと行動をとったりすることがあれば、それについてはJoy服用者の精神状態である内なる欲望が出ている状態であり、ミュータントとなった者の潜在意識を反映した挙動であると考えられます。

 これを踏まえてBuzzoの挙動についてみていきます。変異途中(Buzzo)では

  ・何かを躊躇う(ゲーム内メッセージでは”Buzzo doesn’t want to do this…”)

  ・血を吐く(Buzzo coughed up blood!)

  ・腕or脚をへし折る(Buzzo twists your limbs.)

  ・噛みつく(Buzzo bites hard!)

 変異後(Berny)では

  ・噛みつく

  ・血を吐く

  ・自分を殴る(Berny is hitting himself.)

  ・自分を喰らう(Berny is eating himself.)

  ・何かを恐れる(Berny is horrified…)

 このうち、何かを躊躇う、何かを恐れる、自分を殴る、自分を喰らうの4個が彼特有の挙動です。このうち自傷行為2つは形状的に実践しようにもできないミュータントが出ることが予想されるので、まずは彼の完全オリジナルであろう何かを躊躇う、何かを恐れるの2つについて。

 何かを躊躇う行動については彼の欲望の露出というよりは、Lisaに切断行為を強要された際に彼が躊躇った記憶を連想させます。

何かを恐れる行動(彼の恐怖の感情)については彼の精神状態について

  ①Lisaに対して恐怖を抱いている

  ②恐怖の対象が何であれ恐怖への対処法としてLisaにすがることを選んでいる

 この2パターン、あるいはそれらの複合型が考えられます。①にしろ②にしろLisaもしくは彼女から負った心の傷からは逃れられたとは考えられません。①ではBuzzoはLisaから負った心の傷を理性が飛んでも覚えています。②では恐怖の対象がLisaとは全く関係ない場合はLisa由来の心の傷を忘れて彼女をただただ想っていると考えることもできますが、彼の精神面をみても恐怖はLisaと関係した事柄である可能性は高いです。生前の彼の夢や幻覚にもLisaばかり出てきて、行動面をみても初めはLisaのためのこととして行っていた切断行為をずっと引きずってきています。少なくともLisaに匹敵するくらい彼の心の闇となる他の要素は本編中からは見つけられません。よって、恐怖の対象は彼女由来のものである可能性は極めて高いです。

 次に自傷行為について。これはそのまま自分をいたぶりたいと欲しているか、自分はいたぶられるべき存在であると認識しているかのどちらかとみることが出来そうです。彼の精神状態としては罪悪感か自責の念のどちらかだと考えられます。どちらにしてもそこまで変わらなさそうですが。

 

3.Buzzoの中のLisaの挙動について

 Joyful中のBuzzoの見た幻覚では、Lisaは傷だらけのミュータントとなったBradを前にして”Make him suffer.(こいつを苦しめなさい)”と発言しています。その後BuzzoはBradの前で膝をつき画面が暗転、真っ暗な背景の中”It’s okay… You don’t have to do this anymore. I’m here to set you free.”というセリフがでます。このセリフはLisaのものかBuzzoのものか迷っています。私は最初これをBuzzoのものであると判断しましたが、Lisaの可能性も否定はできません。

 判断が迷う要因について。まず、LisaがBuzzoを許すとすると態度の変化が急すぎます。幻覚中でも散々「やれ」「投げ出すな」「こいつを苦しめろ」と言っておいてそのすぐ後で「もう自由だ」と言うのはあまりに浮いています。ただしメタ的視点で見ればこの幻覚中ではメッセージの出る位置が常に同じなので出自が同じであると判断でき、Lisaが「もう自由だ」と言った可能性も否定できません。ただメッセージの出自をBuzzoの記憶であると定義すれは同じメッセージ位置でBuzzoの記憶から引き出されたLisaおよびBuzzoのセリフとも解釈できるところです。また、真っ暗な画面に文章のみのシーンでは文章の位置で発話者の区別をしているのですが、この法則を明転と暗転を含みさらに明転前・明転後・暗転後のどのシーンにも文章がある場合に応用していいのかどうかも謎です。

 

 

 私は改めてBuzzoについて考える前は

 ・手紙の文面

 ・ミュータントとなったBuzzoは恐怖を感じている

 ・LisaがBuzzoを許すとすると態度の変化が唐突

といった要素からLisaからの許しは得ていないものと考えていました。しかし、そのような思い込みのために真相を見誤ってはならないので、Buzzoの中のLisaが彼を許した場合をいくつか考えてみることとします。

 

 Buzzoが彼女を満足させる行動ができていたなら彼は許されたかもしれません。この点についても考えていきます。Buzzoは幻覚の中ではBradのそばで膝をついたままで暗転します。彼は再び立ち上がることもなければ刃を持つこともしません。暗転後にもBuzzoの行動を示すようなSEはありません。この幻覚中ではBuzzoが膝をつくときにSEが使用されており、この幻覚中だけSEを失くしているというわけでもなさそうです。暗転した後にBradを傷つけているとも考えられますが、幻覚中で画および音で認識できる範囲ではLisaの「こいつを苦しめろ」という要求には応えていません。

※LISA中では真っ暗な場面でもSEで何が起きているかを表現する場面がいくつかあります。Joyful序盤にてBuddyを捕らえるときのSE、PainfulおよびJoyful冒頭での黒い画面からの殴打音、LisaとBuzzoのエピローグでBuzzoが電動のこぎりを使う場面など

 また、Joyful中のBuzzoの見た幻覚では黒い空であり、これはBradが強制的にJoyを飲まされたときの幻覚と共通しているのでBuzzoはJoyを一気に摂取した可能性はありますが、彼がそうしてもLisaが許すとは考えられません。というのもJoyの多量摂取ではLisaが許さなかった前例があるからです。BuzzoはBradにJoyを強制的に飲ませた後もBuddyの乳首やBradの腕を切断しようとしていました。この様子からはBradにJoyを飲ませてもLisaはBuzzoにBradを苦しめることを要求し続けたと判断できます。もう一つ。ワクチンを飲んだ後のEDで登場するBradはPainfulラスト~Joyful序盤にかけてのBradと比べて傷跡が1か所増えており(1)、Buzzoが彼につけた傷跡である可能性もありますが、Bradの腕を切断しても、Bradが血まみれ傷だらけになってもミュータントになってもまだBuzzoにBradを苦しめるように命じるLisaなら傷跡1か所程度で許すとは思えません。Bradの傷跡が1か所増えた件についても傷跡1つ程度でLisaが許さなかったという前例があります。(Bradの腕を切断しても彼への仕打ちを続けたこととJoyful幻覚中のLisaの態度(血まみれ傷だらけのミュータントとなったBradを前にBuzzoに「こいつを苦しめろ」と命じる))よって、Buzzoの中のLisaの要求が満たされたので彼女は彼を許したという構図が成り立つ可能性は薄いです。

 

 また、Buzzoの中のLisaが一貫しない発言をするような気まぐれあるいはBuzzoにとって都合の良い性質を持っていたから彼女は彼を許したのだとも考えられますが、そもそもその場合、彼女は彼の潜在意識が恐怖で侵されるまで追い込むほどの脅威とはならないはずです(ミュータントになった彼は恐怖に苛まれています)。心の傷を引きずってもなおJoyの研究やチームを率いての行動ができるほどの頭脳と精神を持った彼ならば、Lisaにそうした一貫しない態度が見られた場合は「時間経過で彼女もそのうち静まる」など彼女への何らかの対策ができたはずです。また、Buzzoの中のLisaが彼にとって本当に都合のいい存在なら、過去に囚われてはならないとJoyful冒頭の時点で理解している彼の心の中からはすでに消えているはずです。

 

 BuzzoがLisaの死から逃げずに向きあったなどといった心の変化があったためにLisaの態度が変わったとも考えられます。しかしこの場合を考えても彼を許すタイミングが凄惨な幻覚の直後という点が厄介です。許す直前の大量のLisaと血まみれのBradの出てくる幻覚は彼の心の変化を新たな考えとして定着させるにあたって障害となるはずです。果たして彼の中に生まれて日の浅い心の変化は幻覚からの精神打撃にも耐えうるのでしょうか。BuzzoはミュータントのBradを前にして膝をつく程度には精神的ダメージを受けているように見えます。ただ彼が膝をつくのはショックからではなく抵抗の意志の表れかもしれませんが。それでも抵抗する必要がある程の精神ダメージが予想されます。この方法でBuzzoがLisaから許される過程を説明するなら彼女からの精神ダメージを突破できるほどの強固な心の変化を考える必要があります。また、心の変化の内容についても彼の行動と矛盾がないように決めなくてはなりません。しかし逆に言えば、適切な心の変化を特定できれば、有力な説となります。

 なお、心の変化によりBuzzoがLisaから許されたという考えは、私の考えではなく他の方の解釈から拝借した考えです。元のページが見えなくなったので、この考えは1から私が考えたわけではないことを表明しておくだけにします。

 

 

(1) 縄につながれたBradとJoyfulでのワクチンを飲まなかったエンディングでのBradの傷跡比較

緑の丸部分が新たについた傷跡

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重ね合わせて比較

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今回はここまでです!閲覧ありがとうございました。

次回はBuzzoが許されるとした場合どのように彼の精神状態を捉えるかを数パターン書きます。今回の内容を踏まえての続きとなります。

 

 

 

 

前回までの内容簡単にまとめ

Buzzoの精神状態考察その1

Buzzoの表情について

 彼の表情には他者をいたぶっているときは笑顔になり、Buddyを意識しているときは真顔になるという傾向が見られた。そこから発展させて、過去に囚われた彼は笑顔、過去に囚われてばかりではない彼は真顔ではないかと解釈。 

雑多な考察や気づき(雑多すぎるので何点かをピックアップするのみにします)

・彼がSweetheartに立ち向かったときにたった一人だったことは彼の希死念慮を示唆している可能性がある

・ミュータントの彼には自傷行為が見られたが変異前の彼にはそれが確認できない

・BuzzoとBradの精神状態の違いの要因の一つにLisaとBuddyの違いを認識できたかどうかがあるかもしれない

 
 Buzzoの精神状態考察その2

他者をいたぶる行為について

1.FLASH後の彼は衝動や強迫観念などを制御できている。

2.FLASH後の彼は本気でLisaの為と思って他者をいたぶっている可能性は低い。

3.Lisaの切り落とした部位については乳首の可能性が高いと予想。

4.顔を剥がれたDustinの話とFLASH後の彼の行動との比較から、少年時代のBuzzoとPainful本編でのBuzzoの精神状態は異なる可能性が高い。

 

詳しい要因については青字のリンクから該当記事をご覧ください。